2021.02.28
習い事をする意味
新年が明けたと思っているうちに今日で2月も終わりとなりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
寒い日が続きましたが、鼻がむずむずしだすと春もそこまでやってきたのだなぁと感じます。
先週末に春から東京の大学へ進学する生徒さんの最後のレッスンがありました。
レッスンに通いだしてくれたころはまだ小学校低学年、あれから何年経ったことでしょう。
昨年の秋に「最後は何を弾きたい?」という質問に彼女は「記念に先生と連弾をしてみたい」と話してくれました。
「それなら最後のレッスンでこの曲をお母さんにプレゼントしよう」ということになり練習を開始しました。
最後のレッスンの日、ふと隣をみるとすっかり大人になった横顔にハッとさせられました。
「とうとうお別れの時がきたのだなぁ」、なんとも言えない寂しい思いと、立派に成長した姿にジーンとしてしまいました。
演奏後に渡してくれたお手紙には普段口にはできない思いが沢山綴られていました。
ピアノが続けられて良かったこと、悩んでピアノを弾くことがしんどかったこと、泣いてしまったこと。。
それでも「ピアノを弾くことがやっぱり楽しくて、助けられているものだと気が付いた」と。
先日読んだ書籍「お母さんの“敏感期” モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる」(相良敦子著・文藝春秋)の中で杉山由美子氏の「お子様おけいこごと事情」(婦人生活社)の一節がとても印象に残りました。
「何のためにおけいこごとをさせるのかと言ったら、集中してひとつのことをする喜びを知るためである、と今は断言できる。その意味では何でもいいのだ。」
まずはどんなことでもいいので夢中になって、没頭して取り組むことのできる体験こそが大切ですね。その意味ではどんなの習い事でも、何かを夢中になって体験したことが本当の自信を育くむのではないでしょうか。
ピアノを習ったからといって、将来ピアノに関係する仕事につかない生徒さんのほうが多いかと思います。
それでも「なぜピアノを習うのか?」、それは「夢中で楽しく体験」する中で自分を信じる力を育み、最終的にそれを「生きる力」に繋げるためではと私は考えています。
子供たちが夢中になるのもは成長とともに変化していくものだと思いますが、その過程の一つにもし「ピアノ」との出会いがあったら。。
その生徒さんにとって「最高の体験」を経験してもらうためにベストを尽くすこと、これこそがピアノ講師としての最大のミッションなのかもしれません。
2021年・春、新たな気持ちで私自身が「夢中」でたのしいレッスンを追究していきたいと思います。